ご家庭特撮 ~非本格宣言~ [映像製作/映画/アニメ]
そんなわけで、ゆる~い映像作品(特撮つき)を作っているのである。
若い頃から特撮関連の本なども眺めてきたが、映画製作全般について書かれた本も多少は読んできた。
その…読めば読むほど映像を作るというのがいかに大変であるかを痛感する。
撮影・照明・録音・編集…様々な知識と技術が求められるし、用意すべきものや気を遣うべきことが多々ある。
もちろん、何よりセンスが必要であろう。
正直言って、私は本格的な映像を作る気は毛頭無い。
真剣に映像製作をしている方々には申し訳ないが、私にとって映像作品というのは「一発芸的ネタ」を披露するための手段の一つに過ぎないのだ。
本に書いてあるようなことをちゃんとやらねば! …と考えてしまうと、逆に私には何も作れなくなってしまう。
で、知識も技術もセンスも無いままにノリだけで作ってしまうことにした。他のメンバーも学芸会のように楽しもうという気持ちだったので、あとは勢いだけ。
何たって、企画らしい企画というモノが無いままに撮影に入ったのである。
今回の映像はあるプライベートなイベントに使うための作品。
そのイベントの主催者にしてプロデューサーである人物から出た「映像を作ろう」という一言が唯一の企画書(?)である。あとは作りながらみんなで考える。
結局…と言うか予想通り、いくつかの作品のパロディ…と言うかオマージュにしようということになった。
どの作品もメンバー4人全員が観ているので、誰かが「あのシーンみたいに」と言えばイメージが共有出来てしまうわけで非常に都合が良い。
まずイキナリ決まったことがロケ地とロケ日。通常ならシナリオ・ハンティングをして構想をまとめて脚本を作ってロケーション・ハンティングをして…と、様々なプロセスを経て決めるべきところをまともな企画も無しにロケが決定したのである。
ロケ当日にも台本などは無かった。
出し合ったネタを、(一応監督である)私が前日夜に絵コンテにでっちあげた。それだけが唯一の道しるべである。それをコピーをして全員に配る…などということもせず、私以外はどんなシーンをどういう風に撮るのか理解していないまま撮影に入った。いや、私自身もイメージしか持っていないので、現場で判断したのだが。
撮影機材も、ご家庭用カメラの他には三脚と脚立と台車(移動撮影に使おうと思ったが結局使わなかった)とレフ板とグリーンバック用の模造紙(これも結局使わなかった)だけ。
カメラ操作はもちろんマニュアル…などではなく、全てオート機能に任せる。ホワイトバランスだの何だの難しいことは知らないからだ。
唯一プロ仕様なのは…
(c)2008 Keipapa
スタッフジャンパーだけ!
しかも、私一人ではなかった。
(c)2008 Mac&Shun-Kana
恐れ多くも、『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』のスタッフが着ていたものと同じスタッフジャンパーを着用してのロケだった。何の打ち合わせもしていないのにみんなこれを着て集合したのである。
ね? ノリがみんな一緒でしょ?
大掛かりな(?)ロケは2回行われた。
いずれも早朝から昼頃までの半日。
…なんですが。
とにかくノリを共有しているメンバーであることと、何より俳優陣(=スタッフ)が達者なので、監督である私はほとんど一発でOK出しをする。だからこそ半日ずつで済んだのだ。
それをだなあ、俳優陣(=スタッフ)が不審がるのである。「え〜〜〜〜っ? 今のでOKなのぉ?」と。しかもその不信感が“一発OK”を重ねるに伴って徐々に高まってくる気配。
いいんだよ、これで! 監督がOKって言ってるんだからOKなんだってば!
実際、ほぼ絵コンテどおりに撮れているのである。
それにほらあ、ちゃんと演出っぽいことしてるじゃんか!
そりゃまあね、光の向きだの色あいだの何だのが前後のカットと違ってたりとか、逆光補正をしていなかったもんで人物がハッキリ写ってなかったりとか、色々ありますよ。それどころか、同じシーンなのに全く別の場所で後から撮り足しをするという掟破りなこともやっている。合成カットであることを忘れて三脚を使わずに手持ちで撮影したりもしている。
ぶっちゃけ、デタラメである。
でも、いいんだよ、これで!
とにかく、「ネタ」がわかりやすければそれで良い。
逆に言うと、映像的にデタラメでもネタが通じればOKなのである。
そのわかりやすいことが優先なので、唯一守ったのは「イマジナリー・ライン」というヤツ。
簡単に言うと、AさんとBさんが登場するシーンでは、必ずAさんが右でBさんが左! …という具合に位置関係を決めちゃうのだ。これで多少背景などが違っていても違和感を最低限に抑えられる。どうしても入れ替わる時は「入れ替わるカット」を挟み込む。
舞台に「上手(かみて)・下手(しもて)」というのがあるが、あれも一種のイマジナリー・ライン。基本的にエラい人は上手(客席から舞台を見て右側)から登場する。落語でもご隠居さんは上手から下手に向かって八つぁんや熊さんに話しかけているハズである。いや、違ってたらスイマセン。
もっとも、このイマジナリー・ラインもすっかり忘れて撮っちゃったりもしているのだが…。結局、そのカットは編集の時に左右反転させるハメになった。
こうして、シロウト映像だということを差し引いてもなおテキトーな映像がminiDVテープに収まった。
あとはこれをパソコンに取り込んで、合成したり編集したり音楽や効果音を入れたりするだけである。「だけである」…って、やることが山ほどあるじゃんか!
無計画な撮影のしわ寄せは、結局その後の作業に…。もっとも、その後の作業もまた全てデタラメに進めたのだが。
タグ:自主制作
企画&Pのチビセブンです。
今回のコンセプトは、楽しく出たらめに再現するでした。
ここまで本格的になるとは思いもよらず…
次回作のはホントにあれでいくんですか!?
役者どうするかなぁ(^^;
鬼監督がやれと言われればやりますけど(笑)
by チビセブン (2009-01-24 12:30)
>チビセブンP様
私なりのコンセプトは「どんなに卑怯な手を使ってでも笑わせる」映像作りです。あくまで内輪向けですけど。
このトシになって、こんな遊びが出来るとは思ってもいませんでした。
本当にありがとうございました…って、まだ完成して無ェ〜〜〜っ!
その状態で次回作のネタまで。しかも(以下自粛)。出演交渉はお任せします。
by studio7 (2009-01-25 00:46)
強力な俳優人からの「逆ダメだし?」
監督の「OK」を否定?
かなり掟破りなかんじですが・・・「そこ良い!と」
今後のPCを使っての作業が実は(大変だと思いますが)とても楽しかったりしませんか?自分の世界に入れる・・
えっ?そこまでも「鬼の俳優人が監視してる?」
是非「某DVD」に負けないように「メイキング・秘蔵・特典映像」つきでお願いしたいです!(初回限定だったりして・・)
by みぃ パパ (2009-01-26 21:50)
次回作ってあるのかなぁ~(笑)
あるんだろうなぁ~~
だって、形が出来上がったのに1回だけじゃぁ勿体ないからねぇ~~
でも、撮影は寒い時じゃないと厳しいっす・・・
夏場は人が多くなってきますから・・・
by いつでも出演OKだよぉ~~マック&シュンカナ (2009-01-26 23:01)
>みぃ パパ様
おっしゃる通り、編集はめちゃめちゃ楽しいです。絵コンテどおり(=自分がイメージしたとおり)につながると、嬉しいですね。
ただ、一人で「みんなでワイワイやっている映像」に手を加えていると、時々寂しくなります。
そんな時は「映像チェックして!」とメンバーに集まってもらうのですが…鬼の俳優から鬼のスタッフへとモードチェンジした人たちがそこでまた…。
「某DVD」には思いっきり負けますが(当たり前だ)、もちろん「メイキング・秘蔵・特典映像」付き&初回限定です。ってか、初回しかプレスしません(笑)
by studio7 (2009-01-27 23:08)
>いつでも出演OKだよぉ~~マック&シュンカナ様
どうなんでしょうねえ、次回作…。
「恒例」と受け止めてもらえるのか「何だ、またかよ」と思われてしまうのか…?
って、今回の作品、まだ出来上がってないんですけど!(笑)
とは言え、もし今宝くじが当たったら間違いなくHDVビデオカメラとかMac Proとかを買いそうです。
by studio7 (2009-01-27 23:37)
いやーーー!
生き生き、活き活きしてましたね~、かんとくぅ~。
そういや、ぷろぢゅーさーから嬉しい夜の接待もあったとか・・・、宇都宮で・・・・。
by ケイパパ (2009-02-04 23:29)
>ケイパパ様
撮影は楽しかったですね〜、撮影は。
一応「監督」でしたし(笑)
宇都宮でもぷろぢゅーさーは鬼でしたが、何か?
by studio7 (2009-02-05 00:24)