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超ウルトラ8兄弟姉妹 [ウルトラ]

 「ウルトラマン大博覧会〜ROPPONGI天空大作戦〜」を訪ねる…って、実は3回目(^^; 行くたびに販売コーナーで何か買っちゃうのが困りモノである。

 とりあえず、昨年亡くなった実相寺昭雄監督のポストカード…著書である『ウルトラマンの東京』(1993/筑摩書房)のために自ら筆をとられた挿し絵の中の一枚を購入した。さっそく額縁を買って飾る。

 絵の味わいと、“宇宙人には、座布団を すゝめるべきか”という洒落たコメントとのマッチングがたまらない。博覧会会場にはこんな素敵な実相寺作品が数多く飾られている。

 で、今回の最大の目的はトークショー。佐原健二さん、西條康彦さん、桜井浩子さん、黒部進さん、ひし美ゆり子さん、森次晃嗣さん(舞台下手からの着席順)という超豪華なメンバー!

 ここに司会の方が“実相寺ネタ”を振っちゃったから大変だったりする。

 本題はちょっと置いといて…。

 これは私一人で行くにはもったいないので、学生時代…「早大いじけっ子マンガ集団(略称:いじマン)」からの“怪獣仲間”を誘っての参加。おじさん二人とおばさん一人の三人組という、『ウルトラQ』みたいな構成となった。
 整理券配布の列に並ぶと、仲間の一人が「…この列の整理をしてるスタッフ…何だか“濃いファン”に慣れてるような雰囲気だなあ。円谷関係の人達なんじゃないのか?」と漏らす。スタッフの顔を眺めてみたら、確かにエキストラ参加した際にお世話になった円谷プロダクションのSさんの姿があった。長いつき合いとは言え、彼の洞察力を再認識。
 「円谷プロファンクラブ」の掲示板やエキストラ参加で交流がある方々とも再会…私がイベント系ファンでは無いことを知る会員の方から「セブン関係のイベントには“ちゃんと参加”するんですね〜」と言われてしまった(^^)
 
 …な〜んてハナシはどうでもいいですよねー。

 登壇メンバーについて簡単に(さらに昭和ウルトラ&平成セブンの範囲で)ご紹介すると、佐原・西條・桜井の各氏は『ウルトラQ』の主役三人組…万城目淳・戸川一平・江戸川百合子である。佐原氏はその後『ウルトラセブン』でタケナカ参謀→タケナカ長官役を、桜井氏は『ウルトラマン』のフジアキコ隊員を演じている。黒部氏は『ウルトラマン』のハヤタ隊員、ひし美・森次両氏は『ウルトラセブン』のアンヌ隊員とモロボシ・ダン隊員。以下、私的にイメージの強い役名で表記させていただく。

 各氏の印象。ただし経年変化については言及しません(^^;
 タケナカ参謀はもう東宝の怪獣映画の常連。『素晴らしき特撮人生』(2005/小学館)にも特撮映画への思いが込められているが、その“熱さ”を改めて感じることが出来た。
 一平は、もう、戸川一平キャラそのまんま…あれが“素”のキャラなのか、キャライメージを崩さないないための“演技”であったのかは微妙であるが、一平健在という嬉しいトークであった。
 フジ隊員は女優としての魅力はもちろんだが、円谷プロのプロデューサーとしての貫禄を感じた。…これ、伏線。他の皆さんが“やんちゃなオトナ”だった中で、フジ隊員は流れを調整しながらコメントやツッコミを入れる“オトナなオトナ”であったと感じる。
 ハヤタは饒舌だが、良い意味で妙なツッコミやコメントを入れるナイスな天然キャラ。シリアスな内容の映画で唯一ホッとさせてくれる役…しかも特にコミカルな演技ではなくそういうシーンを作ってくれる役っているでしょ? ああいう感じ。
 アンヌは、噂や著書・ブログでは知っていたものの、改めて気さくな…さっぱりした雰囲気の持ち主と実感。また、壇上のムードメーカーであったと感じる。私にとってただ一人の憧れのヒロインなので、もっぱらそのお姿へと視線が行ってしまうのは当然のことである。
 ダンは「ここまでやったんだから、一生変身する!」という宣言に会場大拍手。機を見て入れるコメントが絶妙であった。それをヒーローと時代劇の悪役双方の雰囲気を漂わせながら時にさりげなく時に(敢えて)大仰に語る。こういうイベントに慣れているせいか、ファンが何を求めているかということをよくわかっていらっしゃる。

↑このバルタン星人のステッカーは、トークショーの入場整理券とともに配布されたもので、当日に限りこのステッカーを提示すると博覧会への再入場が可能であった。本当は「(洋服の)目立つ所に貼って下さい」との指示だったが、もったいないので台紙に付けたまま…。

 いやしかし、よく喋る皆さんである。それぞれファンを大事にしてくれているんだなあと感じる。司会進行から大幅に外れたトークが楽しいこと楽しいこと。いくつか事実誤認・記憶違い(『ウルトラQ』のペギラが東宝からの借り物であった、とか)や、私の手元の資料との違い(『ウルトラマン』の科学特捜隊の車両が円谷一氏の私物であった、とか…資料では満田監督が“円谷英二監督の私物”と述べられている)はあったものの、とにかく楽しい時間であった。ダンによる“生の「ジュワッ」という掛け声”にも感激。

 やや暴走気味のトークの中で、“とある方”が、来年秋劇場公開予定の『大決戦!超ウルトラ8兄弟(仮題)』について、濃いファンには知られているものの公式発表されていない…要するにネタバレ系の発言もあった。これを「しっ! それ、まだ秘密だから! もう、○○ちゃん、何言い出すかわからないからアブナイアブナイ」と巧みに制したのは、伏線どおりフジ隊員。

 さてさて。

 問題の“実相寺ネタ”である。「実相寺監督の作品についてはいかがでしたか?」という司会の方の質問があった。しかもアンヌとダン名指しでの質問。その時点で「ありゃ、“アレ”に関する発言が出るのでは?」と期待…いや、危惧を感じたが、それが的中してしまった。

 そう、『ウルトラセブン』で“欠番…幻の第12話”とされている『遊星より愛をこめて』について、アンヌとダンが熱く語りはじめてしまったのだ。「あれは封印されるべき作品ではない。素晴らしい作品である」と。そして「(実相寺監督への追悼の意味も込めて)DVD化されても良いのでは?」とのコメントに会場大拍手。「拍手が大きければ来年DVD化されるよ」というダンの言葉に拍手は一層大きくなる。
 これに対して“(拍手は)ダメダメ!”というサインを送りつつ、アンヌとダンに対して「そのあたりでやめてくれ」という視線を投げかけるフジ隊員。

 封印された経緯などは他の方のサイト・ブログや巨大掲示板などでさんざん取り上げられているのでここでは割愛する。とにかく“無かったこと”になっている作品であり、私自身も“無い”と思うしかない。
 アンヌとダンの発言も、一つ一つの作品について深い思い入れがある、という気持ちの表れであろう。逆にフジ隊員の態度も単なる否定ではなく、やはり円谷作品への深い思い入れから来るものだと思う。
 拍手したファンの多くも、私と同じように感じたのではないか。今回のトークショーに集まったのは濃いファンが多いと思われるので、そこらへんの事情は充分に承知しているだろうから。

 くどいようだが、封印問題ではなく、作品への思いを感じさせてくれたという意味において、欠番作品に関する各氏のコメントや態度は貴重であった。

 そんなハプニングもあったが、和気藹々とした舞台。以下、小ネタ集(順不同)。
・「手入れされていない植木などを見ると、ワイアール星人を思い出す」(アンヌ)
・「(登壇者は)みんな東宝の俳優さんだったのに、東宝ニューフェイスに落ちた僕だけが“宇宙人”」(ダン)
・「タケナカ参謀(万城目淳)は、役もキャリアも後輩だった自分にスタッフへの苦情を言わせた」(一平)
・「『ウルトラQ』の時はスケジュールがきつくてスタッフと酒を飲む時間なんてなかったのに、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』と進むにつれて飲む機会が多くなっているようだ」(タケナカ参謀)
・「ファンの皆さんも円谷一、金城哲夫の存在を忘れないでほしい」(タケナカ参謀)
・「(『怪獣墓場』の時に)実相寺監督から喪服を着るように言われて嫌だと言ったら、金城さんに監督の指示は絶対だとたしなめられた」(フジ隊員)
・「(『禁じられた言葉』の時の“巨大フジ隊員”についての質問に対して)そんなのが出たら、怖いよね」(ハヤタ)…あのシーンを覚えていらっしゃらないのか、あくまで“仮定”としてのお答えだったと感じた。どうでも良いが、ファンコレスペシャルの『ウルトラマン白書』には登場“怪獣”一覧の中に“巨大フジ隊員”が含まれているぞw
 …思い出したら随時追加します。  

 月並みだが、楽しい時間はアッという間に過ぎる。構成や進行なんかどうでもいいから、もっと各氏の雑談を楽しみたかったなあ。

 おいおい、この記事のタイトルは“8兄弟姉妹”なのに6人しか登場してないじゃないか、と思った方は鋭い。
 このトークショーの後、先日最終回を迎えた『ULTRASEVEN X』のDVD発売決定プロモーションがあったのだ。

 まずは主役のジンを演じた与座重理久さんと、エージェント・ケイの脇崎智史さん(“崎”は本来“山・立・可”という字。PC環境によって文字化けするのでここでは普通の字を用いた)が登場。はい、これで8人になりましたね。
 そこへアンヌとダンも再登場してのトークとなる。ここでもお二方はノリノリ。
 ダン「ちょっとそのウルトラアイ、貸してよ。(ここで“新ウルトラアイを構えるダン”というレアな姿を見ることが出来た!)…ん〜、やっぱり俺には似合わないよなあ。今風だよなあ」
 アンヌ「ねえ、ダン! これ、作って売ったら?」
 ダン「え〜? また作るの? お金かかるんだよ」
 夫婦漫才。

 既にファンは知っている。『ULTRASEVEN X』のDVD(プレミアムエディション版)にはウルトラアイのレプリカが付いてくることを。
 そのアナウンスがなされた後のアンヌ…「ダン、これ(ウルトラアイ)が付いてくるんですって! 買わなきゃダメよ!」
 
 そして司会からのコメント「さて、ここで、“誰か”が欠けていると思いませんか?」
 もちろん、欠けている。すぐに拍手をしちゃったが、浮いた。350人定員の会場で、あのタイミングで拍手をしたのは数人だった。
 そう、ULTRASEVEN X“本人”である。

 客席後方から走り込んでくるX。ひょえ〜〜〜っ!

  正直言って、『ULTRASEVEN X』は私好みの作品とは言い難い。
 また、あのデザインはいかがなものかと思う。mixiや巨大掲示板などでも書かれているが、ザラブ星人がセブンに化けたらああなるのではないか。“本物より目やあちこちが吊り上がっている”“本物には無い黒のペイントがある”という、偽物の特徴満載。ダンの「最初に見たとき、これ、本当に正義の味方なのかなあ、と思った」というコメントに拍手をした私である。
 そして、オリジナルセブンのあのデザインは、スーツアクターである上西弘次さんのガッシリした体型をスマートに見せるように考えられたもの。だから上半身にボリュームがあり、ボディはスッとラインが入っているのだ。
 それをあんな小顔&マッチョにしてどうする!

 が。
 着ぐるみに罪は無いっ!…何を言ってるんだ、俺は?! ポリシーも理屈も無いじゃんか!
 わ〜ん、“ウルトラスーツ”の魅力には勝てないよ〜っ! しかも原口智生氏による造型である。ステージショーに慣れていない私はもう、生のウルトラスーツに釘付けとなった。造型萌えな私なので仕方ない。
 まあ、ダンもXのマッチョな筋肉を触ったりして興味深気だったし、いいか。

 イベントレポートは私の芸風では無いので、だらだらと長くなってしまった。ちゃんとしたレポートはきっと他のファンのブログなどにも出るだろうから、正確な内容を知りたい方はそちらを検索してみることをお薦めする。

 そう言えば、今夜はクリスマスイブであった。
 以前バンダイネットワークス ララビットマーケットで買った“ウルトラ警備隊ワイングラス”で、皆さんと乾杯。Merry Christmas!

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コメント 6

マック&シュンカナ

いやぁ。イベントレポーターでないなんて・・・
すごいですよ。
自分にはこういう書き方出来ないんでうよねぇ。
だから、写真が多くて「ギャグ」を多くしてしまうんです。

六本木かぁ。
やっぱりトークショーは行くなら一人で生きたいし。
高い所がダメだから正直行けそうもありませんが・・・

もう、この記事で十分ですよぉ。

まあ、幻の「遊星より愛をこめて」はなにも円谷が悪いわけでも何でも
無いですからね。
紹介した某雑誌社の子供向け雑誌に星人の説明が問題になって・・・
ですよね??

自分はとある機会があり見たことがありますが、なにも欠番にする必要ははないと思いますけどね。

でも、ここまで来てるのだからまた議論するのもおかしいかなぁー。

うちのシュンスケはセブンXが出た時は「あれはニセセブンだ!」と
仕切りにいてました。

でも、先日間近でみて2ショットもとりましたが、カッコいいです!!
by マック&シュンカナ (2007-12-24 22:48) 

studio7

マック&シュンカナ様

 TFC会員のブログはそれぞれ雰囲気や視点が異なっていてほとんどカブらないのが面白いですよね。イベントレポートはマックさんたちにお任せして、私は机の上の出来事に絞るつもりでいたんですけど…今回は興奮気味でつい書いてしまいました。

 『遊星〜』については、おっしゃるとおり議論し尽くされている感があるので、私も敢えてそのあたりについては触れません。単純に「またちゃんと観たいなあ」と思いはしますけど。
 公式の場でダンとアンヌの口からダイレクトに第12話に対する思いが発せられただけでも実相寺監督への供養になったと感じています。

 ULTRASEVEN X のデザイン、改めて見るとアメコミ風ですね。向こうの作家がセブンをコミカライズしたらあんなデザインになるかも知れません。
 余談ですが、アレックス・ロスが描いたウルトラマン…スーツのシワがタイツ地みたいだったのがおかしかったです。DCもマーベルもヒーローと言えばスーパーマンみたいなタイツ地なんでしょうね。
by studio7 (2007-12-25 00:07) 

北島とめ吉

桜井浩子さん、わりと好きでした。プロデューサーになっていたんですね。

思ったんだけど、昔のメンバーが集まって大人向けのウルトラマンを作ったら面白そうですね「ウルトラマンシルバー」とか言っちゃて。
by 北島とめ吉 (2007-12-25 00:41) 

studio7

>北島様
 竹内義和さんの『なんたってウルトラマン』(1988・ケイブンシャ)によれば、桜井さんは少年の憧れの対象としての“おねえさん”の嚆矢とのことです。が、今や“おかあさん”も通り越してものすごい存在感でした。

 昔のメンバーが集まったウルトラマンとしては(純粋な大人向けではありませんが)、ウルトラマンメビウスがあります。私は劇場版しか見てないのですが、ハヤタ、ダン、郷、北斗が変身前の姿で登場しますし、初代ウルトラマンはAタイプを模したシワ顔です。そういう意味ではまさに「ウルトラマンシルバー」でした(キャストの皆さん、申し訳ないっ!)。テレビ版はもっと凄いことになってたみたいです。
 さらに『大決戦!超ウルトラ8兄弟(仮題)』では…(以下自粛)
by studio7 (2007-12-25 01:04) 

おーるい

読みものとして単純に楽しませてもらいました。
いやー熱いっすね~
by おーるい (2007-12-26 18:23) 

studio7

>おーるい様
 熱いっすよお〜! ブログを始めてから、これほど勢いだけで書いた記事はありません。それを“読みものとして”読んでいただけたなら本当に嬉しいです。
by studio7 (2007-12-27 01:21) 

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