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ウルトラ作戦第2号 Vol.7 [ウルトラ]

 今回は、“買っちゃった”内容にはなりませんでした。“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”の製作日誌だけ…。

 もう、作業がここまで進んでいる状態で今更なのだが、改めてその形状を確認すべく資料を眺める。
 と言っても、以前書いたように資料は極めて少ない。初代ウルトラマンの純粋な…つまり1966年に放送が始まった『ウルトラマン』制作時の資料と言えば、あの映像と成田スケッチしかない。

 さて、まずは私が作りかけのフィギュア…

 こんな感じ。実際には形の修正も多々必要だし、表面の仕上げや着色もやっていない(当然、透明な目をどうするか、という課題も未解決)。写真をパソコン上で加工・着色してみたもの。…まあ、自分の力量を考えたらだいたいこんなもんでしょう。

 以下の画像は全て差異を明確にするために私が模写したものである。トレースや加工では無く、本やモニタを見ながら描いたものなので(すいません、単なる模写の方が手っ取り早いもんで…)ツッコミどころは多々あろうがご容赦を。

 1は、オリジナル画像から。ウルトラファンには敢えて説明する必要も無いだろうが、カラータイマーは付いていない。

 2は、“ファンコレ(ファンタスティックコレクション)”スペシャル『不滅のヒーロー ウルトラマン白書〜ウルトラQからウルトラマン80まで空想特撮シリーズ18年の軌跡』(1982年・朝日ソノラマ)に掲載されていた成田亨氏のスケッチ(実際には左右が逆だったようだが、ここでは他に合わせた)。爪までついている。このスケッチに基づいて1のフィギュアが作られた。
 これまたウルトラファンには説明不要だが、カラータイマーは成田デザインには無い。恐らく、着ぐるみと別のラインでスケッチに忠実に1のフィギュアが作られたため、変身シーンにはカラータイマーの無いウルトラマンが登場することになったのだろう。
 で、今回のフィギュアに1の画像には見られない足をつけたのは、成田スケッチを元にフィギュアが作られたなら、オリジナルにも足があったのではないかと判断したから。また、一応フィギュアだし、ということも理由である。

 3…これはパースフィギュアではなくスーツアクターの方がポーズを取ったものを撮影して加工したもの。劇場版映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』からの画像だが、力強さに欠けるように思う。同DVDメモリアルボックスに入っていた絵コンテ集で、小中和哉監督も“本来ならパースがついた人形が作れると良かったが、それが出来ずに着ぐるみをスチール撮影したものを素材にした。ワイドレンズを使っても拳が強調されたバランスにならず、色々手を加えてもらったが、改めてオリジナルのバランスの妙を感じた”という旨のコメントを入れている。

 4は謎。現在「円谷公式オンラインSHOP」の『この人に聞け〜商品開発うらばなし』のページで見ることができるものだが、この画像からはこれが実際にプロップとして作られたものなのかCGなのかは私にはわからない。また、上記画像のグレーの枠の範囲しか確認が出来ない。ただ、この画像を元にしたと思われる全身のシルエットが「円谷プロファンクラブ」のサイトに登場するので、それを参考にして描いた。…おっと、今日届いていた同クラブの会誌『TFC.10』の“ウルトラ双六ファイト”に、この形状のイラストがあった…まあ、いいや。

 時に、私はず〜っとこのシーンは“天空から飛来するウルトラマンの姿”だと思っていた。が、これは“地上からぐい〜んと巨大化してくる姿”だという記述を読んだことがある(出典は失念)。確かに成田スケッチを見ると、その足は地面に立っている形状をしている。
 しかしながら、3や4の画像を見ると左足のひざを曲げている…これは“飛来”のイメージではないか?
 私も自分の子供の頃からのイメージに従って、飛びポーズにすることにした。また、成田デザイン&オリジナルシーン同様にカラータイマーは付けない。

 それしても、冒頭のような画像を作ってしまうと何だかフィギュアが完成したような気分になってしまう。道のりはまだ長いというのに…。(つづく)

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コメント 8

おーるい

おお完成形が・・・・
素直にかっこよくなりそうですね~

4はCGではないでしょうか。
あと地上からぐい〜んと巨大化してくる姿>自分はこっちでイメージしてました。
by おーるい (2007-11-30 21:13) 

studio7

>おーるい様
>素直にかっこよくなりそう
→ありがとうございます!!! パソコンでいじったのは色と背景の合成だけなので、形状は“ほぼ”写真のような感じです。この“ほぼ”が曲者で、相変わらず粘土の盛り削りを繰り返してまして…。

 目のダイヤモンドカット(?)の凸凹もそれなりに出来たんですが、ヒートプレスじゃそこまで細かい再現は無理かな〜? それとも透明レジンで複製するか…。まあ、どれも経験が無いので、色々試してみます。

 そうですか、やはりそそり立つイメージですか…。まあ、“どっち向きに飾るか”の問題なので、ディスプレイケースを買うか作るか(また作るのかよ)するときにもう一度考えるとしましょう…まだ先のハナシ(^^;
by studio7 (2007-11-30 23:55) 

北島とめ吉

これは突っ込みどころが無いほどかっこいいわけですが、、、。
初代ウルトラマンの空気感がよく出ていますね。
スタジオ7さんはこういうのを本職にしてはいかがですか?

私もこのシーンは空からだと思っていました。「地上で変身して、なんで空からくるんだ?」って思っていました。
by 北島とめ吉 (2007-12-01 01:30) 

studio7

>北島様
 “空気感”は、恐らくPhotoshopの能力だと思います。レベル補正などを適当にいじくったり、レイヤーの重ね方を色々やっていたら、何となく時代がかった画像になりました。少なくとも、粘土の扱いよりはPhotoshopの扱いの方が慣れていますし…。

>こういうのを本職にしてはいかがですか?
→そういうアドバイスは高校を卒業する頃にしていただければ…(^^;
 まあ、おーるい君なんかまさに本職じゃ無いって方が不思議なくらいですけど。
 私に才能や根性や覚悟があったなら、きっと若い頃にそっちの道を選んでいたんじゃないでしょうかね〜。
 ただ、昔アニメ美術の小林七郎さん(出崎統監督と組んで『宝島』などの独自の世界を創った方です)とお話をしていた時、「“才能”っていうのはね、技術云々じゃないんですよ。“それが好きである”というのが才能なんです。練習や訓練みたいなことを努力や苦労だと感じることもなく、誰からの命令でもなく“どうしてもやっちゃう”…それが才能というものです」とのお言葉に感銘を受けたことがあります。そういう意味(だけ)では私にも“才能”のかけらくらいはあるのかも知れませんw
by studio7 (2007-12-01 10:16) 

マック&シュンカナ

「ものすごく好きになることが才能」・・・
いいですねぇ。
自分のそうすると才能だけはあるんですが、立体造形に関してはいかんともしがたいものがありますね(^^;;

完成の暁には実物が是非見てみたいものです。

よし、自分は自分のできることをやろう。

って、怪獣のお面とノーバちゃんしか作れませんが・・・
by マック&シュンカナ (2007-12-01 13:08) 

studio7

>マック&シュンカナ様
 まずは諸々ありがとうございます。

 小林さんの言葉、何だか勇気づけられると言いますか、とにかく良いでしょ? 今年東京都現代美術館で『ジブリの絵職人・男鹿和雄展〜トトロの森を描いた人』という展覧会がありましたが、小林さんはその男鹿さんの師匠です。

 とりあえず、我々には“ウルトラの才能”があることは間違いなさそうですね…って、どんな才能なんだかw 

 
by studio7 (2007-12-01 13:36) 

ひるぞお

凄い!カッコイイ!!
完成したら是非とも拝見したいです。
by ひるぞお (2007-12-01 18:25) 

studio7

>ひるぞお様
 ありがとうございます。
 ブログにコメントを下さるのが造型の専門家とウルトラの専門家の方々ばかりなので、正直言って拙作をさらすのは怖かったんです。
 でも、皆さんにアドバイスや応援をいただけて、記事にして良かったなあと思います。
 
 ひるぞおさんと私は“同じ業界”のようなので、多分感じていらっしゃると思いますが、我々の業界も色んな特技を持った人やら変人がうようよいますよねえ…。直接の知り合いでは無いのですが、我が社には「かつてHJ誌に作例記事を書いていた」という強者がいます。
by studio7 (2007-12-02 07:26) 

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