ウルトラな奇跡〜ワンフェス・レポ(Vol.3) [ウルトラ]
ワンフェス2008・冬のレポ最終回にして、100回目の記事。
今回は、拙作“満田監督サイン入りウルトラマン変身シーンパースフィギュア”が主役である。本記事は、「ウルトラ作戦第2号特別版」と言うべき内容である。私にとって、100回目を飾るに相応しい記事である。
久々の登場(^^;
以前と変わらないじゃないか、と思った方、よぉ〜くご覧いただきたい。ウルトラマンのボディ部分に何やら…。
とにかく、(Vol.1)で書いたように、ブログ記事でイベントをレポートさせるためのキャラとしてこいつをワンフェス会場に持ち込んだわけである。
さて、開場待ちの行列中、「円谷プロファンクラブ」の重鎮会員の方から“M1号”のブースをチェックせよとのメールをいただいた。私はワンフェス参戦にあたり、イベントのガイドブック以外の事前情報を掴んでいなかったのだが、ガイドブックには同店がどんな商品を出してくるのかは書かれていない。
M1号と言えば、西村祐次氏という特撮業界に知られたコレクター&プロデューサー&資料考証家を代表とするショップ。懐かしのソフビを再現してみたり、特撮のプロップの忠実なレプリカを販売したり…と、マニア垂涎の商品展開をしている。
…いかんせん、高額商品が多いんですけどね…。
とは言え、同ショップのブースはチェックせずばなるまい。私にメールを送って下さった重鎮会員の方は、その情報量も半端ではない。“何か”があるはずである。…いや、本当はメールに“何か”の内容も詳細に書かれていたのだが、記事をドラマチックに展開させるためにちょっと脚色させていただいてます。
午後1時40分頃にM1号ブースに立ち寄った。
…。
同ブースにおいて指定商品を買うと、サイン会参加の資格が得られるという。
サイン会は午後2時から(←この時間は本当に知らなかった)…そしてその指定商品もまだ残っていた! これです。
“蓄光タイプウルトラマンソフビ”…正確には、(有)やまなや製『銀河連邦ソフビシリーズ M78星人 ウルトラマン(Cタイプ全身発光)』。
実は、このフィギュアそのものは私の守備範囲外なのだが、サイン会には是非とも参加したいので購入。
その“是非とも参加したいサイン会”とは!
♪ドン! パパパパー パパパパー パパパパ〜〜♪(←『ウルトラマンのうた』のイントロ)
『ウルトラマン』でハヤタ隊員を演じた黒部進さん
『ウルトラマン』でウルトラマンそのものを演じた古谷敏さん(『ウルトラセブン』のアマギ隊員)
そしてそして、ウルトラマンの…“あの”ウルトラマンの造型をなさった佐々木明先生!
うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!
指定商品購入からサイン会までの間、約20分…。この間に私の脳裏に、ある無謀な計画がよぎった。
拙作“満田監督サイン入りウルトラマン変身シーンパースフィギュア”にサインをいただくことは出来ないだろうか?(実際には満田監督のサインが入った台座は外して持参したので、“満田監督サイン入り”ではない状態だったのだが)
これが実現したら大変なことである。
しかし、黒部・古谷両氏はともかく、佐々木先生はヤバい。くどいようだが成田亨先生のデザインから“あの”ウルトラマンを造型なさった方である。
もう、計画を思いついた時から、緊張で震えた。何たってド素人が作ったフィギュアである。お子さんが作った粘土細工などなら、「うん、うん」といった感じでサインしていただけるかも知れないが、イイ歳こいたおっさんが仕上げたもの…「私のオリジナル造型を何と心得るか!」と怒って断られるのではないかとの不安が走る。
サイン会の列に並んでいる段階でもまだ葛藤。
色紙やマスクの台座に、佐々木→黒部→古谷の順番で、失礼ながらベルトコンベア式にさくさくとサインをなさるお三方。ますますここに拙作を差し出すことははばかられる雰囲気が漂っている。
しかし、こんなチャンスは二度と無いであろう。
いよいよ私の順番。おずおずと佐々木先生の前に拙作を差し出して「及ばずながら、先生の作品に憧れて自作しました。これにご署名いただけませんか?」
しげしげと拙作を眺める佐々木先生。一瞬の沈黙に震える私。
そこへポツンと先生の一言。
「何だよ、俺より上手ェじゃねえか」
!!!! もちろん、大物が小物に対してのみ発することが出来る“社交辞令”であることは十分承知だが、それだけで有頂天である。
さらに貴重なお話をして下さった。
「こういう風に片足を曲げて作ったんだっけかなあ…。うん、確か、曲げて作ったと思うよ」
実際の変身シーンの映像には足は写っていない。が、“足まで作ってあった”ということと、オリジナルのパースフィギュアも佐々木先生が造型したという証言が得られたのである。
そして「確か、二体作ったんだよ」とも。テンパっていた私は、撮影に使われたものがどんな材質で作られたのか、電飾は施されていたのか、“もう一体”はどうなったのか…等々伺いそびれてしまったが、もうこれで十分である。
黒部進さんは私と佐々木先生のやりとりを聞いていらっしゃったようで、「へえ〜〜、これ、自分で作ったんだ!」と。
古谷敏さんは、ご自身のサインをして下さったあと私の顔を見てにっこり笑うと、フィギュアを裏返して“2008.2.24”と日付を入れて下さった。
私はたまたま拙作を持参しただけだし、事前にサイン会のことも知らなかった。何たるサプライズ!
サインを戴いたのは、別に“権威付け”といった目的ではない。
ウルトラマンというキャラクターを創りあげた皆さんに、フィギュア製作を通じて直接敬意を示すことが出来た記念である。
円谷怪獣倉庫でお披露目を果たしたフィギュアに、『ウルトラマン』の「本編監督」「主演俳優」「スーツアクター」「造型作家」のサインが入った。私的にはこれ以上望むべくもない。完璧である。
もはや、フィギュア自体ではなく、その表面に付着したマジックインキの線に大いなる価値があるモノとなってしまった。家宝。
今回のワンフェスの参加者は約4万人とのこと。
その4万人の中で、満足度ランキングを付けたら、私は間違いなくベスト10入りを果たすと思う。
M1号、ワンフェス実行委(海洋堂)に感謝!
そして何より、今回誘ってくれた偉大なる後輩・おーるい君と、貴重な情報を下さったオビコさんをはじめとするTFC会員の皆さんに心から…ありがとうございました!
なお、これで、拙作はまた名前が長くなった。
“満田監督・佐々木先生・黒部さん・古谷さんサイン入りウルトラマン変身シーンパースフィギュア”。
それと…。
実は、M1号で他のモノも買っちゃったんである。これは受注生産状態なので、手元に届くのは約3週間後とのこと。そいつもまた凄い逸品だぞ〜!
【追記】
…にしても、ガレージキットでも“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”って出ていないのだろうか?? その手の雑誌などをこまめにチェックしているわけではないので「無い」とは言い切れないが、私は見たことがないし(だから仕方なく自作したわけだが)、今回のワンフェスでもお目にかからなかった。
誰でも考えつきそうなネタなのに商品化されないというのは、「売れない」という判断なんでしょうね。…こんなものを欲しがるのは私だけってコトか?!
すごい、すごい、
これはもう本当に家宝ですね・・・
でも、これでおいそれと外に運び出せなくなてしまいましたね。
壊れては大変ですから「ガラスケース」に入れて飾っておきましょう!
持ち運び用のレポーターはもう1っこ作ってはどうでしょう??
by マック&シュンカナ (2008-02-28 23:52)
見た!!
今日は送別会で、明日は大阪出張。明後日会議なので、またね。
by オビコ (2008-02-28 23:57)
全米が泣いた!!
マジで目頭が熱くなったではないか!
ウルトラシリーズを支えた一人として私も喜んでサインしますよ!
えっ?、、およびじゃない、、、こりゃまった失礼しました〜
冗談はさておき、歴史的超お宝フィギュアだよこれ!
by 北島とめ吉 (2008-02-29 02:31)
いや~心の雄たけびが染み入る文ですね~
こうゆうのを奇跡と呼ぶのでしょうか。
M1号ブースはほぼ毎回サイン会があるようですね。
次回も誰かしらいらっしゃるのでしょうか。
by おーるい (2008-02-29 03:56)
>マック&シュンカナ様
この際、桐の箱に入れちゃって3年に1度しか見ない秘仏状態にすることも(マジで)考えてしまいました。
レポーターは鋭意製作中で〜す(^^)
by studio7 (2008-02-29 21:38)
>オビコ様
貴兄からのメールが無かったら、このサインも無かったはず…。ありがとうございましたm(__)m
名古屋に足を向けては寝られません。こちらにいらっしゃっている間はWホテル方面にも足を向けないよう気をつけます。
by studio7 (2008-02-29 21:42)
>北島様
現地では興奮し、帰宅後にしみじみと感動が涌いてきました。
キャラクターフィギュアとは言え、“現役の彫刻家による失われた作品を、他の作品や資料を頼りにしつつ勝手なアレンジで再現”しちゃったという行為なんですよね。それをご本人に見せたというのは改めて畏れ多い行動だったと感じます。
佐々木先生も武蔵美出身ですよ〜(^^)
おっと、そう言えば去年我が家に来た“珈琲画”!
その作者の真壁孝雄氏も武蔵美…いけね、署名を貰うの忘れてた。
漫画家の流水りん子さんにもサイン貰わなきゃ。
by studio7 (2008-02-29 21:58)
>おーるい様
私の興奮状況を一番良くご存知ですよね(^^; とにかく発端はおーるい君のお誘いから…またよろしくお願いしますm(__)m
円谷ファンクラブ会員の方でワンフェス歴20年という“達人”によれば、M1号では毎回サイン会をやっているわけでは無いみたいです。
・2007年【夏】…マンモスフラワーとドゴラのソフビ販売記念で、桜井浩子さんと藤山陽子さん
・2006年【夏】ではフジ&アンヌ隊員のソフビが販売記念で、桜井浩子さんとひし美ゆり子さん
・ウルトラQのお3方は、ピンク色のジャイアントナメゴンが販売された時で、多分2004年【冬】
…とのことです。
by studio7 (2008-02-29 22:11)
原型制作者、主人公、スーツアクターが40年の時代を経てまた集いあうモニュメントですねぇ。
Cタイプマスクの見てみたいですが、小顔セブンマスクはあと2週間で出来るかな~ぁ。
by オビコ (2008-02-29 22:21)
>オビコ様
“小顔セブンマスク”…間に合いませんっ!
塗装が問題で、あの材質、塗装はラテックスに塗料を混ぜなくてはならないんです。とりあえずラテ塗りの練習を兼ねて“イベントレポーター”作りをやっているんですが、塗る時の色と乾燥後の色に差があり過ぎまして。まだまだ実験をせねばなりません(>_<)
by studio7 (2008-02-29 22:41)
祝!記事100回おめでとう御座います。
話を聞いた時は、そんな偶然がって思いましたが、ここまで偶然が重なるとホントに奇跡ですね。
そして、興奮度合いがよーーーっく解って、自分も嬉しくなり、心からお祝い申し上げます。
そして相も変わらず「買っちゃったもの」のオチがあるのは立派です(笑)
今度のワンフェスは行かないと~。
by ケイパパ (2008-02-29 22:43)
ということは、塗装に耐久性が無いということか!?ふ~ん。
とりあえず祝100回!!目指せ200回!!
by オビコ (2008-02-29 23:45)
>ケイパパ様
ありがとうございます!
何でも三日坊主ですし、ご存知のようにブログっていうのもけっこう面倒といえば面倒な作業なんですよね…。それがとりあえず100回続いたというのは皆さんのコメントという“手応え”があるからです。…だもんで、つい、コメントをいただきやすいウルトラネタばかりになっております(^^; 他にも色々「買っちゃったモノ」はあるんですが。
by studio7 (2008-03-01 00:04)
>オビコ様
本当は水性塗料でそのまんま着色出来る素材ではあるのですが、Gボンドによる接着面などを隠すためにはラテックス厚塗りが必要みたいなんです。
でも、ラテックス、と来れば怪獣さんを作りたくなるのが人情ですよね〜…。
そんなわけで、そこらへんでネタを引っ張れば200回も夢ではないかも知れません。今後ともよろしくお願いいたします!
by studio7 (2008-03-01 00:10)
はじめまして。自分は別の目的でワンフェスに行ったため、M1ブースは当初ノーチェックだったのですが、偶然発見&購入キャンセル発生のおかげで偶然にも2/1マスク(粘土)と御三方のサインをゲットできました。また、前回1/1リムエレキングのソフビを販売していたインスパイアさんのブースには「セイザーX」でゴルドを演じたロバート・ボールドウィンさんもいました。他にはマルヤス 冨川屋さんというウルトラマンの瓦せんべいを販売しているブースもあります。自分はワンフェス土産として買っていくのですが、売り子の方々は円谷だけでなく東映とも関わりがある(と思われる)方々ばかりです。自分が行ったときは、桜井浩子さん(円谷プロブースのスタッフとして来ていた)と外島さん(平成セブンのキングジョーⅡのスーツアクター)とお会いしました。
by ポンチョム (2008-03-03 09:48)
訂正です。マスクは1/2です。スイマセン。
by ポンチョム (2008-03-03 09:50)
>ポンチョム様
ご訪問、ありがとうございます!
桜井浩子さん、お見えになっていたんですか! 全く気づきませんでした。私は初参加ゆえ、勝手もわからずうろうろしていた感じで…。次回からもう少し歩き方を考えます。
瓦せんべいは、その昔販売された『ウルトラQ』と『ウルトラセブン』は(おまけのバッジやワッペン欲しさに)買いました。確か、ビラ星人がまんま“えびせん”だったと記憶しています。
最近のアクターさんは全く知らないんです…。ウルトラ系でお名前とお顔が一致するのは、古谷・上西・きくち・二家本各氏だけです。
by studio7 (2008-03-03 20:47)