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必殺の1200秒 [ウルトラ]

 六本木ヒルズの森アーツセンターで開催されている「ウルトラマン大博覧会〜ROPPONGI天空大作戦〜」の“下見”に行った。滞在時間は約20分程度…次回どこをポイントに観るかという計画を立てるために展示の全体像を把握するためという、本当に下見である。

 いきなりだが、会場の出口にお約束のグッズ販売コーナーがあって、つい財布の紐が緩む。…というか、この博覧会に行くことを決意(実は、たまたま用事があって六本木から電車で約15分のところにいたので、イキナリ「よし、行こう」と決めた)した段階で財布の紐は緩むどころが完全に外れていたのだが。

 とりあえずは、これ。

 やられちまったなあ。まさに今私が製作中であるウルトラマン変身シーンのポストカード。ご覧のように蛇腹状の折り畳み式で、あのシーンを巧みに再現してある。背景が白くなっている部分が一箇所あると良かったのになあと思うのは贅沢ですかそうですか。

 さて、展示内容である。

 まず申し上げておくとこの博覧会は『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の三作品をメインに取り上げたもので、「ウルトラマンナイス以外に興味は無い」とか「ウルトラマンゼアスしか知らない」という人には物足りないかも知れない…例が偏りましたが。
 だが、私のようなおっさんばかりでなく、ウルトラの原点を知りたい方やCGIバリバリのウルトラマンしか知らない方には是非観ていただきたいと思う。何かしら“円谷スピリッツ”を感じることが出来るのではないだろうか。

 森タワーの52階に上がり、会場に入るとまず怪獣の着ぐるみ(着ぐるみでない造型物もあった)たちの出迎えを受ける。ここは写真撮影OK。続いて主要スタッフやキャストの紹介コーナー。円谷英二監督を中心に、ウルトラワールドの基礎を築いた方々のプロフィールを知ることが出来る。
 一部では有名な“1/1サイズ円谷英二フィギュア(リアルタイプ)”も展示されてますよ。

 その後は怒濤の展示である。
 撮影に使われたプロップ(小道具など)、衣装、ミニチュア、台本等々が、これでもかというくらいに並べられている。
 私にとっては垂涎モノの品々。朝日新聞のサイトに写真が出ているので、そちらも参照していただけると私のヨダレの量も察していただけるのではないだろうか。
http://www.asahi.com/komimi/gallery/071206ultra/
 …牛状態。
 昨年亡くなった実相寺昭雄監督の特集コーナーに、その創作の源となった仕事場が再現されていたことも嬉しかったぞ。

 さて、幼少時代に雑誌や書籍で“怪獣の解剖図”や“怪獣の足跡”や“怪獣の力くらべ”といった記事にヤられちゃった方々も多いのではないだろうか。
 そんな皆さんのために、大伴昌司氏とそうした記事を絵として示してくれた怪獣絵師のコーナーもある。
 私自身は残念ながらそっち系の子どもではなかったのだが、それでも小松崎茂画伯などの原画には興奮してしまった。いちいち眼鏡を外してはディテールをのぞき込むという老眼バレバレの動作を恥じる余裕も無かったくらいである。

 また、古い玩具や書籍類の展示もあり、「おお〜〜っ! 持ってた持ってた!」と感激する方も多いはず。

 上記のように、全てのウルトラファンが楽しめるかどうかは微妙なところである。特にお子さんたちは、握手会がある日…と言っても1月1日(ウルトラマン)と6日(ウルトラセブン)の二日しか無いが…を狙った方が良いかもしれない。
 が、子を持つウルトラファンだったら(いや、別に子どもがいなくても)観に行ってほしい。ファンとして、後世に語り継いでいくべき物がここにあるからだ。“VFX”でも“SFX”でもない“特撮”を堪能し、夢の創り方を味わうことができるからだ。

 どちらにせよ、私はまた行く。
 とにかく今回はあくまでも下見ですから。

 もし、会場でウルトラマンやウルトラセブンのマスク(多分、レプリカだが)を前から横から…時にはしゃがんで下から執拗に眺めている怪しいオヤジを見かけたら、それは私かも知れない。

【追記】
 私はCGIを否定しない。それどころかコンピュータグラフィックスは大好きである。邦画で言えば『ALWAYS 続・三丁目の夕日』なんかもう、ここまでやってくれるなら文句は無いというくらいに素晴らしいイメージを見せてくれたと思っている。“現実に撮影出来ないモノを何でも作っちゃうスタジオ”である白組の力を再確認した。

 また、今こうしてモニタを眺めているPowerMac G4の中にも3DCGソフトがインストールされているし、最初にMac(LC575)を買ったのもAdobe Photoshopを使って絵を描きたかったからである。

 アナログとデジタルそれぞれ利点・欠点があるわけで、よく言われるように結局はどの技術をどう使うかの問題であろうと思う。初代ゴジラが着ぐるみとギニョールを使い分けたり、サンダーバードで手のアップだけが“本物の人間の手”を使っていたようなものか。ちょっと違うかもしれないが、まあ、そう思っているわけです。

 ただ、CGオンリーだとDVDになった時、“初回限定三枚組メイキング映像付き”のメイキングがあんまり面白くないことは確かだが…。

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マック&シュンカナ

うぉぉぉぉーーー!
行きたい、行きたいよぉー!
一人でね!!シュンカナがいるとゆっくり見れないし、たまには一人でゆっくりとウルトラに浸りたい。

怪獣解剖図、怪獣足跡・・・もう、私はドンピシャですね。

その場で怪獣の足跡や解剖図を描いているのがいたら・・・

多分、私です。(って、いくらなんでも私もそこまでは・・・)

うーーーん、いけるのかなぁー?

それにしてもタイムリーな絵ハガキがゲットできて良かったですね。

ちなみに、怪獣造形の師・成田氏の命日と、うちのカナエ誕生日は一緒です。
by マック&シュンカナ (2007-12-09 20:57) 

studio7

>マック&シュンカナ様
 ご家族で1回、お一人で1回というパターンをお薦めします。
 残念ながらウルトラマンや怪獣が会場を巡回するといったことはやってなさそうですね〜…おねえさんもいないです、念のため(^^)…。
 マスク類はやはりレプリカのようですが、相当考証されているものと思われます。そのあたりは是非オビコさんに検証していただいて評価を伺いたいところです。
 困ったことに、そのマスクを見ちゃったもので、また“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”の顔の修正が始まってしまいました。本当はマックさんのようにバシバシ作りたいんですが…。
by studio7 (2007-12-09 21:58) 

猫七

こんばんは~。
ウルトラマン大博覧会行かれたんですね。
私も2回は絶対行きたい…行きます!(笑)
このポストカードいいですね~。実は変身シーンの記事いつも楽しみにしてるんです^^
私は、12月は展示に重きを置いて、1月にお年玉が入ったところでグッズを買おうと企てておりますフフフ…(怪)
あと23日のイベントに是非とも行きたいのですが、整理券をとる自身がありませーん;
迷ってます。
by 猫七 (2007-12-12 23:00) 

オビコ

 という事で、また話が振られましたオビコです。
 自分も出張に感けて『ROPPNGI』昨日行ってきました。
 自分も怪獣の写真を撮っていて、円谷監督の写真撮ろうとしたら、撮影禁止で・・・え~っでした。
 マスクですがBタイプは本物だと思います。除き穴のあの空き具合からなんですが、Bタイプはあのガラスカットのヒートプレスのプラスティックの向こうからでも見えると思っていたのではないでしょうかねぇ。やはりむずかしいでしょうねぇ。グビラに穴をあけられたという伝説がありますが・・・
 Cタイプはレプリカだったと記憶しております。
 
 どちらにしても写真が撮れれば、じっくり判断できるのですが、今年の我が業界の忙しさは自分のいい加減な記憶力を奪います。

 CGIも“両刃の剣”ですが、『3丁目』は大好きです。あのような使い方が我々のような世代の琴線を・・・

 ウチのオヤジは死んだ日。あの本多猪四郎監督も亡くなりました。
by オビコ (2007-12-12 23:13) 

studio7

>猫七様
 こちらでは初めまして(^^) コメントありがとうございます。
 私も23日のイベントは迷いどころです。あのメンバーが揃う姿なんてそうそう見る機会は無いですしね〜。…さっきやっていたNHK『ためしてガッテン〜誰も教えてくれなかった!高所恐怖症のナゾ』にハヤタ隊員は出てましたが(まさかウルトラマンが高所恐怖症とは知りませんでした!)。
 フィギュア製作はひたすらパテ盛りとヤスリがけの繰り返し&口元の作り直しという地味ぃ〜な作業を少しずつやってます。地味過ぎてブログのネタにならないもんで…。

>オビコ様
 お待ちしてました! 今後も勝手に“お招き”させていただくと思いますのでよろしくお願いしますm(__)m
 図録が通常の美術展のように個々の展示品を紹介していないのも痛いですね。円○プロの鈴○り○子さんあたりにお願いしてスタッフブログに写真をアップしていただくとか出来ないものですかね?(他力本願)
 Bマスクの…と言うよりAマスクの覗き穴に関しては、ほぼおっしゃる通りのことを成田亨氏もお考えだったようですね。成田・倉方両氏の案では、ダイヤモンドカットの一部を透明なものに取り替えて視界を確保するつもりだったそうですが、結果はご承知のとおりです。そのあたりの事情については、いずれ“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”製作記事の中でご紹介するつもりですので、ご存知ない方はお楽しみに(^^)
by studio7 (2007-12-13 00:02) 

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