ウルトラ作戦第2号 Vol.15 [ウルトラ]
“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”ファンの皆さん、こんにちは。
「そんなファン、いねェよ!」と思った方も多いであろう。私もそう思う。が、アクセス解析を眺めてみると“ウルトラマン パース 人形”といったキーワードで検索してこのブログにたどりついた方々もいらっしゃるのだ。すいません、そんな貴方に役立つ情報はここには全くありません。むしろ、私がその具体的な撮影方法を知りたいという状況です。
とにかく、製作再開。
まずは現状の写真から…
おお! いよいよ点灯式か?!
いや、まだダメダメ。
ディスプレイ台は、クリア吹きを残すのみなのだが、このクリアもけっこうやっかいな代物。塗装ブース周辺や乾燥スペースは一応掃除してからやってはいるのだが、塗装中・乾燥中に必ず埃が付着してしまうのだ。
透明ゆえ、厚さの加減がわからないというのも困りもの。しかしまあ、台はいいや。
問題は顔と本体である。
今回は以前よりマスキングにも注意を払ったし、剥がす時も慎重にやった…つもりだったが…
こんなのがあっちこっちに…orz
もう、作業が進めば進むほど傷だらけになっていくのである。固まるとは言え、元が軽量粘土なので余計に傷が付きやすいんだろうなあ。サーフェイサーや塗料を厚吹きし過ぎたのも要因であろうと思う。
銀&赤の模様の入れ方については、スーツと変身映像の折衷案にしたため、腕の部分でかなり左右の違い(矛盾、と言ってもいい)が出てしまったが、これは仕方あるまい。
最大の難関は目の周囲の処理…これまたサフ&塗料厚吹きのせいで妙な段差が出てしまった。これを#2000のペーパーで均そうとしたが、やはりメタリック系にダイレクトなヤスリがけは禁物ですな。マスキングゾルを剥がした時の傷も痛々しい。
基本的に自らの実力を鑑み、“あの角度”から見てそれらしければいいや、と、妥協点がどんどん低くなってはいるのだが、顔はバッチリ決めたいところ。
また、現状では混じりっけ無しのシルバーを吹いた状態なので、この上にクリアイエローとスモークグレーでコーティングを施し、さらに目とカラータイマー以外の部分を除いて光沢を抑えたいと考えている。
いずれもクリア系なので、上記のような埃問題も生じてくるであろうし、課題は多い。
さらに困ったことに、作業の進捗とともに、粘土造型の根本的な粗も気になってくる。が、そこまで修正するのは初めから作り直すのに等しい。
さて。
数々の展示会や「ウルトラマン大博覧会〜ROPPONGI天空大作戦〜」を訪れた方で、実際のプロップやマスクなどがけっこう雑な作りであることに驚いた方も少なくないのではないかと思う。
1985年に新宿で開催された『 SFX博』において、私が尊敬する特殊メイクの大御所であるリック・ベイカーの作品を観ても同様の印象得た。
リック・ベイカーが手がけた『* 狼男アメリカン』や『ビデオドローム』に使われたマスクやラバー系のプロップを間近に見ることが出来たのだが、どこからどう見ても“作り物”にしか見えないし、ディテールが緩い部分も多かった。変身途上の狼男の鼻の穴なんか、ちょっと凹ませて黒く塗ってあるだけだったし。
が、ウルトラ造型にしてもリックベイカーにしても、クリエーターが手を抜いたわけでも無いし、もちろん彼らの技術が劣っているわけではない。
彼らの最終目的は単にプロップなどを作ることではなく、映像を完成させること。限られた予算と〆切の中で、「ライティングがどんなものか」「フィルムの質(またはフィルム撮影かビデオ撮影か)」「どう編集されるのか」といったことを計算している。最も効果的なシーンとなるように手を入れるべきところとそうでないところをきちんと把握した上で最善の方法を採っているだけの話。
『狼男アメリカン』の変身なんか、完成画像を見るともう、大変なコトになっている。骨格や筋肉が人間から狼のそれに変わっていく…凄ェ痛いだろうなあ…と、その苦痛が伝わってくるような、鬼気迫る変身シーンである(この作品でリック・ベイカーはアカデミー賞メイクアップ部門でオスカー像を手にした)。
言い訳の蘊蓄が長いぞ〜っ!
私の場合は、「このフィギュア、欲しいけど売ってないんだよな〜」というのが動機だったわけで、脳内完成図はもうピカピカツルツルの完璧なモノなのだが、今目の前にあるフィギュアは妙に“プロップっぽさ”が漂う感じになってしまっている。もちろん、悪い意味で。
それはそれでいいか…。え〜い、仕上げに入ってしまえ〜〜〜〜っ!(つづく)
【補足】リック・ベイカー/Rick Bakerは、1950年生まれのアメリカのメイクアップ・アーティスト。何と10歳の頃から「メイクアップごっこ」を始めたという。自他ともに認める「エイプ・クレイジー(類人猿ヲタク?)」で、『ケンタッキー・フライド・ムービー』『キングコング(1976年のラウレンティス版)』『グレイストーク』『猿の惑星(2001年のティム・バートン版)』などで凄い猿を見せてくれる。また、『スリラー』の映像でマイケル・ジャクソンを変身させたのもこの人。師匠であるディック・スミス同様に研究熱心で、後輩の育成にも力を入れている。
1984年に来日した際、若狭新一・原口智生両氏の工房を訪れ、「ウルトラマンのようなものは大好きだ。その手の仕事が来ないからやらないだけ」と語った(『別冊SFイズム スペシャル・メイクアップ・エフェクト』1985年/みき書房)。
【追記】
以降、フィギュアが完成するまではこのネタはアップしない予定です(選挙速報みたいだなあ)。ネタとしても絵としても面白くないので…(^^;
※コレクション/キャラクターグッズに関連するブログが下のリンク先で捜せます。
※参考書籍・DVD等
逆に最近の特撮プロップは綺麗過ぎるきらいがありますけどね。
クリアー系は何回かに分けて薄めに吹くと失敗はさほど無いと思います。
もはや言える事もあまり無いですが頑張ってくださいませ~
by おーるい (2008-01-07 08:56)
おーるい様
最近は玩具もプロップも、3Dソフトで“造型”したデータをそのまんま“実物”として削り出してくれるシステムを使っているケースも多いようですね。仕上げは人の手によるものなのかもしれませんが。
メカ系はそれで良いと思っていますが、キャラは粘土やパテをこねこねして作った方が味わいがあるような…。
拙作も“味わい”だけは充分にありますw
いつもアドバイスをありがとうございます。変なところで先を急ごうとするのが悪い癖です。ここまで来たので、焦らずに進めたいと思います。
by studio7 (2008-01-07 20:30)
今度一緒に○○○○に行く予定のオビコです。宜しく!!
本日も、年末予定以上に商品が売れ、肝心な催事に肝心な商品を品切れし、ホントに○○○○に行けれるのか調布アン違う超不安な日々を過ごしそうで・・・大丈夫だろうか???
それは兎も角、一番上の写真で充分な出来ではありませんか。
特撮映像自体“見立て”の世界ですので、画像に勢いがあるかないかの世界じゃないですか。それで充分と思いますがねぇ。
とりあえず○○○○に一緒に行けるよう努力いたします。
by オビコ (2008-01-07 21:29)
>オビコ様
TFC会報Vol.7の“お宝”紹介に出ていた貴兄の会員No.と○○○○当選者名簿の会員No.を照会させていただきました(^^) 同じ回なんですね。お会いできることを楽しみにしております。
私は六本木のトークショーの時と同じように怪獣仲間を伴って参加します。私を含めた三人とも『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の三作しかわからんというメンバーで…○○○○には“知らない子たち”が沢山いるんでしょうね。
パースフィギュアについて、貴兄から「充分な出来」と言っていただけると本当に嬉しいです! ただ、写真では目立ちませんが、現物はぐちゃぐちゃです。
もっとも、修復の跡や塗装の筆跡などが残っている姿こそがウルトラマンやウルトラセブンのイメージではあるのですが。貴兄がおっしゃっていたように、まさに歴戦の証といった感じでしょうか。
by studio7 (2008-01-07 22:59)
上の写真、緊張感が漂っててカッコいいです。
仕上げ時に「OK〜完璧〜!」と叫びながらやると小さな粗はふきとびますよ。
DVDはアフェリエイトですか?
ブログ村の「トラコミュ」を利用するとアクセス少しあがりますよ。
by 北島とめ吉 (2008-01-08 02:05)
>北島様
仕上げ時だけではなく、作業時は常に「やっぱ、オレって天才だよな〜」と思いながらやってます。翌朝見るとその勘違いに気づきます。
漫画同人誌の頃は、印刷が上がって初めて勘違いに気づいておりました。
アフィリエイト…のつもりなんですが、実は設定の仕方がよくわからず、機能しているかどうかわかりません(^^; 旧Mac環境では使えない機能も多々あるようですし(このブログもIEとNetscapeの両方を使わないとダメなんです)。
とりあえずAmazonから承認はされたので、こういうのがあるとちょっとカッコいいかな〜と(今回は、やり過ぎですが)。これまでもテキストリンクでメーカーやショップへのリンクを張っていましたので、その延長といったところです。
アクセスアップも励みにはなりますよね。今のところ(結果としてですが)“やたらと色んなキーワードを散りばめる”という作戦しかやってません。そうすると「美少女がバズーカ砲を撃ちまくるアニメ」みたいな、このブログ内容とはほど遠いキーワードでご訪問くださる方がいたりして面白いです。
トラコミュ、よくわからんので勉強してみます。
by studio7 (2008-01-08 03:25)
“ウルトラマン変身シーンパースフィギュア”ファンのケイパパです。
質感や色味などは完成に見えますが、触らない訳にはいきませんものね。実物を見ていないので何とも言えませんが、細かな傷などは付いて価値が有るって気もします。だって1点ものの本物だから。
仮にこれを自分が手に入れ、後から付けた傷はまさしく傷です。だけど製作工程でstudio7さんが付けた傷は証です。うぉーー!何言ってんだか解らなくなった~。
ちっちゃな圧送式塗装ブースがあれば良いのですけど・・・。
次はいよいよ点灯式の模様かな~。
by ケイパパ (2008-01-09 12:40)
>ケイパパ様
“傷”というよりも単なる凹凸という感じで、けっこうひどい状態なんですよ。多分、現物をご覧になったら絶句なさると思います…私への慰めの言葉を今から考えておいて下さい(^^;。「初めてのフルスクラッチなら、こんなもんですよ」といったあたりがお薦めです。
塗装ブースはタミヤのものを使っておりますが、逆風だとブースに吸い込まれた粒子が開けた窓から逆流してくるのが目で確認出来ます(しかも今の季節だと寒いです)。埃が付く原因の一つはこの塗装環境かもしれませんね〜。ホース部分以外を目張りすれば良いのでしょうが、立体造型は余技の余技(メインの余技は落書きです)というレベルなので、部屋の改造まではなかなか…。
by studio7 (2008-01-09 21:34)