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香り立つ絵 [その他]

 この部屋に“飾ってあるもの”と言えばウルトラセブンをメインとしたキャラクターグッズだけである。

 額縁やフォトフレームに入っているものも、モンティ・パイソンのポスターとか、クレージーキャッツのブロマイドとか、ゴジラ音楽の作曲者・伊福部昭先生と自分とのツーショット写真(ただし自分はゴジラの着ぐるみの中なので顔は写ってない)とか、江口寿史先生の直筆サインとか、どれもその、そっち系と言いますか、あっち系と言いますか、そんなんばっかり。

 う〜ん…これではまるっきりヲタクの部屋ではないか。一応、これでもナイス・ミドルを目指しているのだ。ナイス・ミドルのナイスな書斎にはナイスな美術品が不可欠である。

 で、絵を買った。“コーヒー画”。

 これ、「コーヒー描かれているから」ではなく「コーヒー描かれている」から“コーヒー画”なのだ。
複製ではなく、れっきとした原画である。

 洒落てるでしょう? 真壁孝雄氏の作品で、氏はこのコーヒー画を中心に精力的に創作をしている作家である。絵だけでなく、立体物やアニメーションも手がけている。アニメーションなんかユーリ・ノルシュテインの賞まで受賞しているという、何だか知らないが凄い作家なのだ。

 正直言うと私は、絵画については“リアルな方が偉い”という価値観の持ち主である。抽象・心象系の絵を鑑賞できるような感性は持っていない。当然、いわゆる前衛芸術系はダメ。
 文学でも詩は苦手である…それどころか最近は小説もほとんど読まず、もっぱらノンフィクションや情報系の本ばかり。

 そういう芸術的に鈍い感性しか持ち合わせていない私だが、偶然この絵をネットで見たとき「あ、いい…」と反応した。そして「欲しい」と思った。自分でも意外である。何なんだろうなあ、これは。

 とは言え、芸術作品については「欲しい」まではたどり着くことはあっても、“買う”という行為にまでは至らないのがいつものことである。が、今回は買うことにした。
 結論から言うと、真壁氏が高校時代の友人…しかも共に漫画を描き、『本性ムキ出し菌』という傑作(^^)アニメーションを作った仲間だったのだ。
 最初は同姓同名の別人かと思ったのだが、おそるおそるメールを送ってみたらまさに彼だった。

 うわー、何たる巡り合わせか! 
 詩的な絵に惹かれることなどほとんどない自分の心を打った作品が、友人が描いたものだったとは!

 これは部屋に飾るしかないでしょう。
 直接会って受け渡し。気づいたら8時間語り合っていた。絵も(当然だが)サイトで見たものより原画の方がさらに素晴らしい。何でしょう、カフェインたっぷりの“画材”なのに、見ていて心が和んでくる感じ。乾いて香りは無くなっているはずなのに、心地よい香りが漂ってくるような気分にもなる。

 そんなわけで、今回、素敵な絵とともに、懐かしい思い出と楽しい時間を手にすることが出来たのである。

 …などと奇麗にまとめちゃったが、その素敵な絵を飾るのがヲタク部屋のまんまじゃなあ…。やっぱり居間に飾るか。ナイス・ミドルへの道は遠い。

【追記】真壁氏のブログ「珈琲で絵を描く」(「のがわさんぽ」名義)も是非ご覧ください!

(私信)『本性ムキ出し菌』を一緒に作ったJ.N.さん(当時のあだ名は“おじん”)。 もし、万一、たまたま、偶然、あなたがこの記事を読んだら是非連絡下さい! また3人で会いたいです! 合い言葉は「さ○かのも」「あばしぱ○ぽ」ってことで(覚えてるかな〜)。 


タグ:珈琲画
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